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自閉症と知的障害のあるお子さんと、その親御さんとの対話から教わった大切なこと

目次

自閉症と知的障害のあるお子さんとお母さんとの対話

こんにちは。
なかがわ身体調整館 スタッフTです。

先日、ある親子さんがなかがわ身体調整館にお見えになりました。

自閉症と知的障害のあるお子さん、K君の、パニックや睡眠障害を軽減できないか? ということで、はるばる四国から、飛行機に乗ってみえたのです。

(※ご家族にご快諾いただき、スタッフTも同席させていただきました。)

18歳のK君にとっては飛行機に乗るのも東京に出るのも初めての経験だったそうですが、親御さんが「こんなこともできるのか!」とびっくりされるくらい、スムーズに長旅をこなしてこられたそうです(^ ^)

パニックにお悩みと聞いていたもので、館長はK君に対して何かアプローチするのだろうかと想像していたのですが、実際は最初から最後まで、親御さんとの話し合いの時間となりました。

館長のお話は膨大な情報量でしたが、以下ほんの少しだけ、スタッフTが受け取ったところをシェアさせていただきます。

困っているのは誰なのか

親御さんが、お子さんについて、心配されたり悩まれたりすることはよくあることだと思います。

ところで、そうしたお子さんについてのお悩みは、

お子さんご本人が困っているのか?
それとも親御さんが困っているのか?

これをきちんと見つめていくことが、当のご家族にとっても、周囲で関わる人々にとっても、大切になってきます。

自傷行為は痛そうに見える?

たとえば、K君は強いストレスがかかったときなどに、額がぱっくり割れるほど頭を壁に打ち付けてしまうことがあるそうです。

親御さんはこれについてあまり多くは語られませんでしたが、ご心痛のご様子が伺えました。

なかがわ身体調整館でも、K君は常同運動(一見無目的に同じ動きを繰り返すこと)を断続的に続けていて、ストレスが高まれば度を越した自傷につながりやすいだろうことは想像できました。

一般的には、社会生活に影響を及ぼすほどの自傷行為は止めてあげるほうが良い、と指導されることが多いように思います。

K君の場合、打撃の音がバチンバチンと響くほど強くアゴを叩いたり手を打ち付けたりして、肌が赤くなっていましたし、指を弾くような動作で爪がギザギザになってもいました。

自傷とまではいかないにせよ、見る人によっては、ずいぶん痛そうに感じられるのではないかと思います。

痛みの感覚は人それぞれ

でも、痛みの感覚は人それぞれ違います。

はたからは痛そうに見えても、本人にとっては痛くない、むしろ身体調整になっている可能性がある、と館長談。

血が出るほどひどいときは止めてあげたらいい。
それ以外は放っておいてあげたらいい。

というお話で、このあっさりした支援の空気感には目からうろこでした。

わたしはこれまで、血が出るような強すぎる自己刺激的な行動は「ないほうが良いもの」と捉えている部分があり、無意識に「止めなければ」という焦りに似たものがあったのですが、急に空気が軽くなり、視野が広がったような気持ちでした。

周囲で関わる人がこのくらい軽やかな気持ちでいれば、自傷があっても落ち着いて対応できそうですし、そもそも自傷が起こるような状況にまで空気が追い詰められることも減るのではないかな、と感じました。

子供がパニックを起こしても・・・

K君のお母さんは、壁に頭を打ち付けるようなK君のパニック状態を見ていると、ご自身のご経験と照らし合わせて苦しくなってしまうことがある、といったお話をしてくださいました。

そのお気持ち、スタッフTも母親の立場として、よくわかるような気がします。。

館長は、子供がパニックを起こしたからといって親が一緒にパニックになる必要はないですよ、と穏やかに一言。

大切な家族や子供たちがパニックになると、周囲の人間もつい気が動転してしまうものですが、どっしりと構えていることが子供たちのためでもあるのですね。

パニックのときは足を触る

パニックのときは、「脳の電気信号がエラーを起こしている」と解釈して、頭に上がったエネルギーを下に下げるために、足を触ってあげるのが良いそうです。

とても繊細な触り方を教わりました!

実際のパニックの瞬間にはここまで繊細に触るのは難しいかなと思いましたが、普段から足にアプローチして感度を上げておいてあげるのはとても役に立ちそうです。

ちなみに、館長は実際にK君に触れて、彼の心身調整のお手伝いをさせていただこうとしたのですが、少ししかできませんでした(^ p ^)

足先から触っていって、太ももあたりまで来ると、K君がその手を払いのけるのです。

今のK君には不要な関わりだったのかもしれませんね(^ ^)

誰よりも自由に

館長がふわっとこぼした、印象深い言葉があります。

ここにいる誰よりも自由なのは彼だ


その場にいたのは4人の大人とK君でしたが、確かに、一番自由に、動きたい身体を止めずに動くことができていたのは、K君でした。

K君は、思っていることを伝えられないストレスはあるかもしれませんが、無用な我慢をしていない分、世の大人たちよりも身体は素直に整っているのかもしれません。

やがてK君はお腹が空いたのか、お母さんのそばにピッタリとくっついて座り、大人たちに無言の訴えを開始(^ ^)

(館長はいつもついついお話が長くなりがちなのです。K君、ゴメンネ!)

そして元気にお帰りになりました。

K君、ご家族ご友人の皆さん、ありがとうございました。

志を果たすために、身体とともに生きましょう

なかがわ身体調整館では、ご本人の「志」を大切にします。

当館の方針は、ご自身の生きる目的を果たすために、どんな身体があったらいいのか? ということ。

たとえ腰が曲がっていても、膝が痛くても、肌が荒れていても、、、

ご本人の志を邪魔しないものであれば、それを無理に取り除いて「一見すると正常」な身体に作り替える必要はないかもしれないのです。

ご本人の志や目的を無視して、腰はまっすぐ伸びているものだ、という思い込みを前提とした治療を行うと、かえって身体のバランスを損ねる結果に終わることすらあります。

なかがわ身体調整館は、身体を通して、あなたが志に向かって歩みを進めていくお手伝いをいたします。

ご連絡は以下までお気軽にどうぞ。

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この記事を書いた人

治療の本質は「自己回復力」。
治療方法は何でも良く、特定の治療方法にこだわる必要もなく、むしろその時・その場・その人に合ったものを提供しないと効果がありません。

12歳から始めたバレーボール、20年以上の治療経験、そして46歳で出会った武学。
これらをすべて融合して、治療家が治すのではなく、その人自身の修復能力が目覚めた結果として身体が改善する治療を行っています。

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